久しぶりにコーチングで号泣した週末。
きっかけは今年60歳になるアメリカのとても素晴らしいリーダーシップコーチの
「今は、父を愛しているわ」
という言葉。
彼女が関係の悪かった父親とのわだかまりがとけ、「私はずっと父のことを愛していたと気がついたの」とご自身と既に亡くなられている父親との関係について話した時。
つい最近までお父様に対して複雑な想いを抱えていた彼女は、とても嬉しそうに何度も
「今は、父を愛しているわ」
と口にされていました。
そのたびに、私の中で金切り声のような叫び声が鳴り響いていました。
それは、7歳か8歳ごろの小さな女の子。子どもの頃の私でした。
その頃に父親から激しく叱責され泣き叫んでいた記憶。泣き叫べば泣き叫ぶほど激昂する父親の姿を覚えています。
小さな私は、60歳のコーチに対して「あなたは父との関係がよくなり良かったわね。私は絶対に嫌よ!」と叫び
今の私には「もしあなたが父を赦したら、私があなたをゆるさない」と心の底から伝えてきます。
その小さな私、インナーチャイルドの声がはっきり聞こえて、私は涙がとまらなくなりました。
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インナーチャイルドの癒やしの始まり
インナーチャイルドの声に気がついた時、涙がとまらなくなったのは、それまでその小さな女の子をずっと見てみないふりをしてきたことにも気がついたから。
「そんなことは大したことじゃないわよ。他にもっとひどい仕打ちをうけた子どももいるんだから。あなたの受けたことはそんな大きなことじゃない。大丈夫よ。なかったことにしなさい」
まるで何も無かったことのように、たいしたことでは無いかのように振る舞っていました。
実際に父親から激しく叱責された記憶そのものは、大学生になり一人暮らしをし始めてからフッと思い出したものです。大人になるまで、その時のことも、それ以前の父との記憶も消していました。
「ずっと一人で我慢してたんだね。ごめんね。もう怖くないから。」
と、泣きながら小さな女の子に話しかけていました。
インナーチャイルドとの対話
次の日、前日の話からの学びを他のライフコーチとシェアしました。涙をこらえながら。
昨日のコーチの「私は、今は父を愛しているわ」の言葉にトリガーされ号泣したこと。小さな私をずっと無視していたこと。
メンターのキャロラインから話してくれてありがとう。
「このことをを人とシェアするの初めてでしょう?」
と聞かれ頷くと
「時間をかけて癒やしたらよいのよ」
その頃の自分の写真を見ながら、その子と毎日ゆっくり話しをする。小さな私が、毎日どんな気持ちで過ごしていたか、言いたかった言葉、聞きたかった言葉。
ゆっくりと二人だけの対話をする。
「あなたのような子どものころの親子関係の癒やしは、一生物のカリキュラムよ。私と母の関係が癒やされたのは、母が亡くなる数日前だったから。」
キャロラインは、スピリチュアルサイコロジーのマスターを持って、コーチのために教えていた人です。愛と癒やしと赦しを実践している彼女でも、20年以上のベテランライフコーチでもそれだけかかる。
私のトリガーになったリーダーシップコーチの女性も60歳を前にして、ようやく父との関係がコンプリートした。
それだけ時間をかけていい。と聞いて、すごくホッとしました。
オセロをひっくり返すみたいに、今日、明日ですっきりしなくていい。なにか1回セッションを受けたら、すべてがひっくり返る。そんなものじゃない。
癒やしが終わらないとうまくいかないは嘘
一通り話終わったあと、キャロラインに最後にもう一つ聞きたいことがある
「癒やしが終わらないとうまくいかない。この言葉にすごくトリガーされる。」
私の言葉が終わらないうちに首を横に振り始めた彼女は
「そんな言葉に耳を貸さなくていい。そんな言葉は無視すればよいわよ。」
ときっぱり。
「あなたも十分成功しているわよ」
もちろん、癒やしが無意味とかやらなくていいという意味ではなく、癒やしが終わったほうが心が安定するし愛にあふれる。そのメリットは十分わかったうえでの話。
癒やしが終わらないからうまくいかないのは嘘だから。
癒やしが終わらないですごい成功を収めている人は五万といるわよ。
だからそんな言葉に耳を貸さなくていい。
これまで聞いたどんな癒やしの言葉よりも、彼女のこの言葉に心が軽くなりました。
よくよく思い返すと「癒やしが終わらないとうまくいかない」と言っている人は、癒やしを売っている人。
自分では、何年もかかる癒やしを体験していないからこそ、癒やしが終わらないとうまくいかないと、簡単に言えてしまうのかもしれません。
それに、癒やしが終わった人がすべて成功してうまくいっているか?といったら、そういうわけじゃない。
癒やしが終わったほうが良いのはいいいけれど、だからといってうまくいくかいかないかは別の話。
「うまくいかない理由、大きくプレイしない理由に癒やされていないことを二度と使わない」と決めました。
「癒やしが終わらないとうまくいかない」というのは、プロがかける呪いの言葉になる。
せめて癒やしが終わらないと、心のなかにザワツクものをもったままになる。けれど、だからといってあなたが成功しないとか、うまくいかないというわけじゃない。
癒やしは時間がかかるものもあるから、あなたのカリキュラムを自分のペースで進んだら良い。そんな風に伝えたいと思いました。
インナーチャイルドの癒やしと赦し
癒やしの時だと感じていたら、たまたま癒やしのYoutubeが目に止まりました。
プロのヒプノセラピーの方がの癒やしの誘導の動画です。おちついた聞きやすい声で、動画もゆったりしていたのですが、途中でまた小さな私が叫び始めて聞けなくなって止めてしまいました。
というのは、私は癒やしを求めていたのに、その内容は他者への赦し、ジャッジを手放すまで進めていたから。
他者への赦しの誘導が聞けなかった。
自分の中のインナーチャイルドの傷跡がざっくりひらいているのに、他者への赦しへと誘導されたので、拒絶反応が起きたんです。
癒やしの順番は、
- 傷ついた自分を癒す
- 自分を癒やしてこなかった自分を赦す
- 傷ついた自分をジャッジしていた自分を赦す
- そのことで傷ついている自分を癒やして赦す
自分への癒やしと赦しの両方にまず十分に時間をかける。
他者への赦しはその後。
自分の癒やしも他者への赦しも一度に短期間でやるのには、簡単なものとか、ほぼ癒やしが終わっていることに対しては効果があるけれど、癒やしの初期段階ではしんどいと思います。
癒やしや赦しは無理にひっぱってさせられるものではなく、その人のタイミングで受け取っていくものだとあらためて思いました。
簡単に手放せるものは問題ないけれど、本当に癒やしが必要なものは時間をかける。
こんな気持ちはさっさと終わらせて、あっという間にスッキリしたい。と思う自分もいます。インナーチャイルドと向き合うのは心が痛すぎる。
でも、そんなふうに解毒剤のようなあっという間にスッキリする方法なんてない。あったとして一瞬気持ちよくなっても、根本は何も解決しない。
だからこそ気持ち悪い感じがあっても、向き合うことがでしか癒やしは起きない。と思いました。もう目を背けない。
もし本当に癒やしが必要な時は、同じような体験をした人から癒やしを受けるほうが、あなたの状況やステージを分かってもらいやすいと思います。
本格的なトラウマは、資格をもったカウンセラーか医療機関へご相談ください。
ポッドキャストでは、さらに荒ぶる神経をしずませるための水シャワーの体験や、私の子どもの頃の体験が性格を作るうえでどんな影響をあたえているのかもお伝えしました。
インナーチャイルドの癒やしを始める方はぜひお聞き下さい。
インナーチャイルドの癒やしをすすめる
冒頭のリーダーシップコーチの女性も世間的にはとても成功して、精神的に強そうに見られるタイプ。でも、その内側では、何年も父親との関係にわだかまりをかかけていらっしゃいました。
どれだけ出世していても、しっかりしているように見えても、癒やされない傷をもつ方は多い。
もしあなたがそんな一人なら、次の3つのことを意識してみてください。
セルフコンパッション
自分に優しくすること。とくに自分の中でも嫌な自分、嫌いになりそうな自分に対して寛容になる。容赦すること。
自分に優しくするのは学べるスキルの一つです。毎日3分でも良いので、自分を抱きしめたり、優しい言葉をかける時間を作ってくださいね。
アクノレッジメント
存在を認める。自分の声にきちんと耳を傾ける。「そんなこと大したことない」とか「私さえ我慢すれば良い」とか「そんなの当たり前」とか、自分をないがしろにしがちな時に立ち止まる。
「で、私はどうしたいの?」としっかりと聞いてあげること。その声にこたえてあげること。
あなたの声を聞いている。と伝えることが最初の一歩です。
アプリシエーション
良いところを認めて伝えてあげる。
気持ちがよくなるように褒めるのではなく、純粋に良いと思ったことを伝える。ありがとうと感謝する。
日本人はとかく大した事ないと、嫌なことも、良く出来たことも、削ってしまいがちです。これをやっていると、自分にいつまでも自信がなかったり、物陰にかくれてしまったり。
自分の良いと思うこと、インナーチャイルドの良いと思うことを、しっかりと伝えてあげましょう。